高齢者ドライバーの交通事故

交通事故にも、色々あると思います。一昔前に重大交通事故といえば、交通マナーを無視した若者の無謀運転、暴走運転が問題視されていました。今でもなくなったわけではないでしょうが、若年者の車離れ、スポーツカーの売れ行き不振に表れているように、以前よりかなり減少しているのかも知れません。

私が免許を取得した30年ぐらい前の感覚では、飲酒運転に対しては甘々でした。泥酔運転は論外としても、多少の飲酒に伴う運転は、ドライバーがおのおのの感覚、判断に照らし合わせて、無理ならばハンドルを握らなければよいという考えがまかり通っていました。なので、飲酒運転で事故を起こす人は、その判断ができなかった人であるとか、飲酒検問で捕まるのは運が悪い人という、誤った認識があったように思います。しかし、飲酒運転に伴う、悲惨な交通事故の現実から、厳罰化へ舵が切られました。飲酒によるアルコールの影響は、注意力、判断力、とっさの身体能力などのすべてが弛緩します。なので飲酒をした際に、運転さえしなければ、このような事故が発生する根本原因が無くなるわけです。そういう意味では、飲酒運転の厳罰化は効果があったし、合理的と思います。

最近、高齢ドライバーの交通事故が連日のように報道されています。アクセルとブレーキの踏み違い、ブレーキをかけたが暴走した、高速道路の逆走、どこを走っているかわからなくなったなど、極めて深刻な状況、事故原因であると誰もが感じていることだと思います。これらの事故原因は、運転操作に必要な認知機能低下に起因しているのは明らかです。機能低下の原因は、身体の老化が主因ですが、ある意味、飲酒運転と同様の身体状態であるとも言えます。早急な対策が必要です。本当に病状の進行した認知症のドライバーに対して、事故後に飲酒運転のような厳罰を下しても、ほとんど意味はないと思われます。処罰を受けた理由や内容を理解できない人を処罰しても仕方ありません。また運転が危なくなるタイミングは、一気になるわけではなく、徐々に進行すると思われます。まずできることとしては、免許更新時の認知機能、身体機能のチェックを、今よりある程度厳格にするしかないと思われます。

現在は、ほとんどの自動車メーカーが、自動衝突防止装置を搭載する車を販売しています。その機構に関しては各メーカーでいくつか種類がありますが、安全性向上に寄与しているのは間違いありません。私自身はスバルの車に乗ってます。アイサイトが装備されていますので、その恩恵にあずかっているという実感があります。実際にこの車になって、私自身が追突事故を起こしたことは一度もありません。また新型の日産セレナは、高速道路でのハンドル操作も自動で行ってくれる、素晴らしく便利な車になっているようです。衝突防止から踏み間違い防止など、車の安全走行にかかわる根幹部分が、日本の工業力、技術力でさらに向上すれば、高齢者でも安心して運転できることが期待できます。ひどい記銘力の低下などがあればダメでしょうが、いくらかの身体機能の低下に伴う間違いを、車が自動的に制御できれば、高齢者ドライバーの交通事故は、減らせることが可能だと感じています。そして悲惨な交通事故が、起こらないことを祈りたいと思います!!