ギャンブルについて考える その1

お正月三が日が早くも過ぎて、明日から診療を始めます。本年の短期目標として月2回のブログ更新を掲げたので早速書いてみました。

昨年からIR(統合型リゾート)推進法案について議論され、国会でも承認されました。日本において、いわゆるカジノが解禁されようとしつつあります。そのメリットして、さらなる海外観光客の誘致、カジノ運営に伴う大きな経済効果に期待があるようです。

結論から言うと私は反対で、今更そんなことをしなくても、と強く思います。日本には、人工的なリゾートに併設したカジノを作らなくても、北は北海道から南は沖縄まで、豊かな四季折々の自然があります。また1000年以上の歴史を有する国宝級の神社仏閣、美術品などが数多く残され、日本食ならびに日本文化そのものに、非常に高い関心と人気があります。従って、これらのものを大事に磨き上げていくことで、十分に魅力あるものになるでしょう。大きな予算をつけて実施するなら、そのような方向で使う方がよいと思います。

そして、カジノに代表されるギャンブルですが、すでに公営ギャンブルとして競馬、競輪、競艇、オートレースがあります。さらに建前は違ってはいますが、駅前から郊外まで日本全国どこにでもパチンコ屋さんが数多くあります。一般的な範疇では、賭けマージャン、賭けゴルフもあるだろうと思います。私自身ギャンブルはやりませんが、「これだけ身近にギャンブルが溢れているのに、これ以上カジノまで必要なんか?」というのが率直な感想です。カジノなればルーレット、ブラックジャック、そしてバカラ賭博など超高額レートでのギャンブルが、当たり前のように実施されるという環境が生み出されるでしょう。反対意見として治安悪化、ギャンブル依存症に対する懸念、対策の不備等が挙げられています。これに対しカジノ利用者の自己責任なので、責任が負えないなら利用しなければよいという理屈では通らない気がします。

私は数年前にチャンピックスという薬を服用して、禁煙することができました。喫煙習慣は、タバコに含まれるニコチンに対する依存症という病気であると認識され、チャンピックスなどの薬剤は、健康保険で治療ができます。絶大な効果に感心したため、当院でも院内、敷地内を含めて全面禁煙とし、禁煙外来も始めました。喫煙の悪影響は、内科的な呼吸器、循環器疾患だけでなく、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患、腰痛にも悪影響を及ぼしているというデータもあるからです。整形外科診療においても取り組む理由、価値があると判断しました。

前述したように喫煙習慣は、ニコチン依存症という病気です。その依存症の原因となるタバコは未成年でなければ、スーパー、コンビニ、駅の売店、自動販売機など、どででも購入可能です。病気の根本的な原因であるタバコは、どこででも買えますが、治療薬であるチャンピックスは医師の処方箋が必要ですし、禁煙補助のニコチンパッチ、ニコチンガムなども薬剤師のいる薬局でなければ買うことができません。タバコの売り上げの一部が税収なのだとしても、病気の原因となっている、タバコ販売がほぼ無制限なのに、禁煙のための商品販売には、それなり以上に規制がかけられています。私は、長い間タバコを吸ってきただけに、その点には矛盾を感じています。ですからギャンブル依存症の問題と、カジノ解禁に関しても、同様の矛盾を感じるのです!

さて、皆さんはいかがでしょうか?本年も宜しくお願いします(^^♪