日本大学だけではない蔓延するパワハラ

さんざん報道されつくした感のある日大アメフト事件!当初はやり過ぎの反則プレイだと思われていたものが実は監督、コーチらが特定の学生部員にプレッシャーをかけ続け、ノイローゼになるぐらい追い込んだあげく、意図的に対戦相手が怪我をするように仕向けていたという事実に日本中が騒然となりました。

この事件の内容が、立場の弱い人間を自分の思うがままに操る手法として、昔から様々な組織で見え隠れしていることは、実は多くの大人が知っていたり経験しているところでもあります。病院、医療機関においても医師の長時間労働、過重労働が最近クローズアップされるようになりました。

私の経験では以前のコラムでも書いたことがありますが、「すべては患者さんのため、病院職員があらゆる犠牲を厭いません」というようなスローガンを掲げている病院は、ほぼ100%ブラック企業(病院)と考えて差し支えないと思うようになりました。「患者さんを患者様と表現していたり、1年365日必ず断ることなく患者を受け入れます」というのは、かなり怪しい兆候です(笑)

ある病院の心臓外科では、「どんな時でも一切断りません。いつでも最高の医療を提供します。どんな時でも納得されるまで説明いたします」とホームページにでっかく掲載していました。正直、この人員でそんな診療ができるのかというと、診療科は違いますが、同じ医者なら「そんなの無理だろう」というのが、はっきりと判断できます。

ではなぜそのような内容が掲載されるのでしょうか?おそらくは病院経営者が、無理を承知でそのような経営方針を掲げて収益を上げようとしているのか、経営者の方針を忖度して自分の覚えがめでたくなるように、その部門の長がそのように振る舞っているからでしょう。どちらせよ、その組織のヒエラルキーの下位に位置する医師、医療従事者が気の毒でなりません。どんなに肉体的、精神的に過重な状況であっても、自分の身体が壊れたり病気になったりしない限りは、頑張り続けるしかないからです。

日大のアメフト選手は、相手を壊してこい怪我をさせろと命じられました。記者から「そのような指示があったとしても、自身のスポーツマンシップに則り指示を受け入れない選択肢はなっかたですか?」という質問がありました。私も当然命令されたとしても、やるべきではないと思いますが、あのような状況に置かれた日大宮川選手の立場からすると、相当難しいのではないかと思うのです。そこが組織の恐ろしさです。

話は変わりますが、昨日は木曜日でしたので手術をしていました。頚椎OPLLで前方から骨化病変を摘出して骨移植固定を行いました。手術は問題なく無事終わりました。一緒に協力してくれる医師、周りのスタッフあっての成功です。感謝しなければなりません。つくづくそう思うようになりました!