
頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア
肩から手指先までしびれる(とくに肩甲骨内側から肩周囲、上腕の外側の痛みが強い)場合、
頚椎の間(椎間孔)を通って腕に走る神経根(脊髄神経から分岐し腕にのびる末梢神経)が
この部の骨の突出(骨棘)で圧迫されることが原因で、これを頚椎症性神経根症といいます。
これは大変によく目にする疾患であり、非常に疼痛が強いために首を少し曲げつつ、肩を
反対の手で押さえながら診察室に入ってこられる患者さんも見られます。以下の症状が
該当するか確認してください。
・背中で特に肩甲骨周囲あたりから痛みを感じ始めた
・次に、肩、腕から指につながるようなしびれがでてきた
・天井を見上げ頚を後方へのけぞる姿勢で疼痛が増強する
・夜間の肩甲骨周囲の強い痛みのために寝られない、朝方に目が覚めてしまう
診断はレントゲン撮影を行うことで、頚椎から突出しする骨(骨棘)、もしくは椎間板
ヘルニアを確認することで診断できます。骨棘は加齢にともなう変化であり、中高年以降の
誰にでも起こりえます。また、まったく同じ神経根が圧迫されることが原因で症状が出現する
頚椎椎間板ヘルニア(椎間板軟骨の一部が突出して神経根や脊髄神経を圧迫します)なども
MRI検査を行うことで一目瞭然に判断できます。
治療は、消炎鎮痛剤の内服、頚を回す等の痛みが増強する動きを避ける頚椎カラー固定、
もしくは頚椎牽引療法、疼痛の部位に痛み止めの注射を行う神経ブロック療法などにより、
疼痛を改善させます。ある程度疼痛が緩和、治癒までに3〜4週間程度が必要になることもあります。
正確な診断を行い、直ちに治療を開始することで随分と疼痛の軽減が早められます。
頻度は少ないですが、非常に激しい疼痛が持続し、薬物療法、神経ブロック療法に反応が悪い、
また腕、手指の筋力低下、麻痺症状が目立つ患者さんもおられます。このような状態では
手術治療が有効です。1〜2箇所の突出した椎間板ヘルニアが主原因であれば、前方固定術、
また脊柱管全体の狭窄が広範囲に認められるなら後方から椎弓形成術などが選択されます。
これらの疾患は多数の診療経験、実績がございますので、是非ご相談ください。希望される
患者さんには、院長が責任を持って出張手術を行っております。
この文書の著作権は医療法人社団渋谷整形外科医院に属しています。
この文章の無断転載、複写等はご遠慮下さい。
Copyright c Shibuya Orthopaedic Clinic All Rights Reserved


